しゃっくりを止める方法

治療法
しゃっくりは大変


しゃっくりは、くしゃみや咳などと同じ反射運動の1つです。

ただし、しゃっくりは、通常、1回や2回で止まることはまれで、一度出だすと、数分~数十分、長い場合は1~2日間ほど続きます。


また、しゃっくりは、上半身全体が大きく動く反射運動であるため、繰り返し続く場合には、しゃっくりによって呼吸筋が筋疲労を起こし、体力を消耗していきます。

ただし、しゃっくりを早く止めたいあまりに、焦って速く浅い呼吸を繰り返すと、症状を悪化させ、逆効果となります。


しゃっくりを止めるには・・・


しゃっくりを止めるには、しゃっくりの引き金となった異常興奮中の神経を鎮めることが効果的です。

特に、飲み食いが原因で起きるしゃっくりの場合、その多くは鼻の奥や舌の付け根周辺にある舌咽神経が機械的刺激を受けて異常興奮しています。


つまり、この舌咽神経に何らかの刺激を与えて、神経の興奮を抑えられれば、しゃっくりを抑えることにつながります。

ただし、舌咽神経を刺激したからといって、なぜ、しゃっくりが止まるのかは、未だ解明されていません。


因みに、食べ過ぎて、胃が一杯になり、食べたものが食道まで溢れ出している場合には、横隔神経が刺激されているため、背筋を伸ばして胃を広げ、水で食べ物を胃に流してあげると、しゃっくりが治まる傾向にあります。

なお、心臓病や喘息など、肺や心臓疾患などの持病のある方は、自分で止める方法は避け、長引く場合には、医療機関を受診するようにします。


最近の研究では、しゃっくりは、血中の二酸化炭素(CO2)濃度を高め、動静脈血のCO2濃度を一致させると止まるということが判明し、しゃっくりを止める生理学的なメカニズムも解明されています。

<自分でしゃっくりを止める方法>


両耳に指を入れる:左右の人差し指を両耳の穴に入れて、30秒ほど強く押し当てて耳を塞ぎます。

舌を引っ張る:ガーゼやハンカチなどで舌をつまみ、30秒ほど前に強く引っ張り出します。

冷たい水を飲み込む:冷たい水を口に含み、ごくんっと一気に飲み下します。



医療機関では、長引くしゃっくりに対して、短時間呼吸を避け、動脈血中のCO2分圧を高めるために、紙袋を使用した再呼吸法(ペーパーバッグ法)という治療法が効果を上げています。

このほかにも、抗不安薬、β遮断薬、抗うつ薬などの薬物療法のほか、心理療法を組み合わせて治療を行うこともあります。


隠れた病気に注意


しゃっくりが長引くと、睡眠障害を発症したり、うつ状態になったりしやすくなります。

また、集中力が途切れ、勉強や仕事などが手に付かなくなります。


そのため、しゃっくりは、早く止めたい症状ではありますが、気にしすぎればしすぎるほど、止まらないという悪循環に陥りやすくなります。


通常、しゃっくりは、長くても2日以内には治まります。

それが、2日以上や1か月近くも続く場合には、脳や延髄、心臓、肺、食道、胃などに隠れた病気があり、その影響でしゃっくりが現れている可能性があります。


例えば、横隔神経のそばに腫瘍ができていて、常時、腫瘍が横隔神経を圧迫し続けている場合などが挙げられます。

また、抗がん剤などの薬の副作用でも、しゃっくりが続くこともあり、長引くしゃっくりは、適切な診断と治療を受けることが望ましくなっています。


近年は、「しゃっくり外来」を設ける病院もあり、専門的な治療を受けられる医療機関が増えてきています。

また、長引くしゃっくりは、幅広い分野の診療に通じている総合診療科を受診して、隠れた病気を調べることが大切となります。


しゃっくりが止まるメカニズム


2018年、福岡県久留米市にある聖マリア病院呼吸器外科の大渕俊朗医師が、しゃっくりが止まるメカニズムを解明し、英国と中国の医学誌で発表しています。

それによると、大渕医師は、しゃっくりが1週間以上続く重症患者さんに自分が吐いた息を繰り返し吸わせる臨床試験を行い、症状が治まる仕組みを解明しています。


その臨床試験では、酸欠を起こさないように安全性を確認した上で、重症の男性患者さん2人に、紙袋を使って自分が吐いた息を吸わせ続けたところ、それぞれ3分前後でしゃっくりが改善しています。

また、同じ条件に置いた成人男性の血中CO2濃度を測定すると、通常は低い動脈血の濃度が上昇し、3分前後で静脈血と同濃度になっています。


このことから、大渕医師は、しゃっくりの終了は、動脈血中のCO2濃度が上がり、大脳が窒息回避の指令を出したために、延髄の活動が抑制されたのではないかとしています。

なお、大渕医師は、同じ治療法を用いて、約20の重症例すべてでその効果を確認しています。


今後、しゃっくりが続く重症患者さんの生活の質(QOL)を高めるために、安全にしゃっくりを止める治療器具の開発が期待されています。
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