お薬の話

抗凝固薬(抗血栓薬)の止血に効く中和薬

0 0
薬◎抗凝固薬とは・・・

抗凝固薬(こうぎょうこやく)とは、抗血栓薬とも呼ばれますが、血を固まりにくくする薬のことです。

この抗凝固薬は、血栓が原因で引き起こされる脳梗塞や心筋梗塞などを予防する効果があります。


しかし、血が固まりにくくなるということは、ケガをして出血をした場合、血が止まりにくくなるという副作用が伴います。





◎抗凝固薬の投与

抗凝固薬は、不整脈の一種で重い脳梗塞を引き起こすことがある心房細胞や、脳梗塞の再発予防治療で投与します。

また、動脈硬化などで狭くなった血管を広げるために、金属状の筒(ステント)を体に入れた場合にも、抗凝固薬を用います。


この抗凝固薬は、血を固めるのに必要なタンパク質(凝固因子)の働きを弱めて、血栓(血の塊)をできにくくさせます。

因みに、ステントの場合、体が金属を異物とみなして、より血が固まりやすくなるため、抗凝固薬に加えて、抗血小板薬を併用して治療を行います。


<主な抗凝固薬>


・ワルファリン

・プラザキサ(商品名)

・イグザレルト(商品名)

・エリキュース(商品名)

・リクシアナ(商品名)

など

※抗血小板薬:アスピリン、クロピドグレル、シロスタゾール、エフィエント(商品名)など






◎脳出血のリスク

抗凝固薬を服用している患者さんは、体をぶつけたり、転倒したりして、衝撃により血管が破れて、出血しやすくなります。

そのため、傷口から血が止まりにくくなり、大出血に至るケースが多くなっています。


特に、頭の場合には、脳出血(頭蓋内出血)のリスクが高まり、命に危険が及ぶこともあります。


なお、抗凝固薬は、全国で160万~200万人の患者さんが毎年服用していると推定されています。

このうち、抗凝固薬の副作用により、年間1万人以上の患者さんが脳出血などを引き起こしているとされています。




◎抗凝固薬の服用中は、止血が困難

抗凝固薬を服用中の患者さんが出血した場合、止血が困難となり、緊急手術が難しくなります。


例えば、患者さんが、脳梗塞の再発を予防するために、抗凝固薬の「ワーファリン(商品名)」を服用していたとします。

この患者さんが、階段から落ちて頭を固い地面に打ち付け、脳出血を引き起こした場合には、緊急手術が必要となります。


しかし、ワーファリンにより、血液が固まりにくくなっています。

そのため、血を止めやすくする処置が必要となり、凝固因子の生成に必要なビタミンKの投与や、凝固因子を含む血漿の輸血が必要になります。

ただし、その効果はすぐに現われないことが多く、また、輸血は心臓に負担をかけてしまいます。




◎中和薬の登場

近年は、研究開発が進み、抗凝固薬に対する中和薬が開発され、厚生労働省の承認を受けて販売されています。

これにより、以前は、困難であった緊急手術が、中和薬の使用により行いやすくなっています。


<代表的な中和薬>


ケイセントラ:抗凝固薬ワーファリンに対する中和薬

プリズバインド:抗凝固薬プラザキサに対する中和薬



これらの中和薬は、日本脳卒中学会による治療指針でその使用が勧められています。

特に、脳出血などの緊急時には、これらの中和薬が止血に威力を発揮します。




◎患者さんの自己管理が大事

中和薬が効果的に使用されるためには、患者さんが「お薬手帳」を持ち歩いたり、服用している抗凝固薬を知らせたりする備えが欠かせなくなっています。

また、患者さんが日頃から、自己管理を行い、出血を予防することも大切となってきます。


そのため、患者さんは、減塩や禁煙、適量の飲酒などに取り組み、外出先での思わぬケガを防止して、出血を避ける必要があります。

また、高血圧がある患者さんは、きちんと血圧を下げる薬を飲んで、血圧が高くなって出血を引き起こさないように気を付けることが大事になります。
トップページに戻る
サイトマップ・記事一覧に戻る

0 Comments

There are no comments yet.

Leave a reply