介護の話

認知症患者さんの意思を尊重する支援のあり方

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介護◎認知症とは・・・

認知症(にんちしょう:dementia)とは、脳にできた病変によって、慢性的な認知機能障害が現れた状態の総称です。

この認知症は、記憶力や計算力、家族や友人の顔の識別、日時や場所の判断力などが低下していきます。


また、患者さんによっては、性格が変わったり、それまでの習慣としていた行動を取らなくなったりします。

なお、認知症は、先天性の精神発達遅滞や単なる意識障害、うつ病や統合失調症などの精神病とは異なるものになります。





◎認知症を発症すると・・・

認知症を発症すると、その初期には、物忘れが多くなったり、記憶が曖昧になったりします。

そして、これらの症状が徐々に進行していくと、「朝起きてトイレに行ったのかどうか」や、「ご飯を食べたのかどうか」など、行動したこと自体が分からなくなります。


また、会話中に、見当違いのことを言い出したり、「物を取られた」や「叩かれた」などの被害を訴えたりします。

なお、認知症の患者さんは、加齢と社会的な孤立が続くと、世の中の出来事に興味を失い、考えることが面倒になっていく傾向にあります。




◎認知症は、病変によりさまざま

認知症は、65歳以上の高齢者の約4~5%で、その発症がみられます。

この認知症は、一般に、不可逆的(悪くなる一方)であることがほとんどですが、患者さんのなかには、可逆的な(良くなる)場合もあります。


なお、認知症で現れる症状は、認知症を引き起こす主病変によって、さまざまとなっています。


<認知症の種類>


皮質認知症

皮質下認知症

単純認知症

全般性認知症

まだら認知症

アルツハイマー型老年認知症

など






◎認知症患者さんの意思決定

2018年7月、厚生労働省は、中京大学の稲葉一人教授らの研究チームがまとめた「認知症患者さんの意思決定に関する指針」を公表しています。


それによると、認知症の患者さんは、思考力や判断力が失われ、意思決定ができないと思われがちですが、配慮があれば、自分の意思を表明できるとしています。

また、周りの人は、認知症患者さんが考える「自分が受けたい医療や介護」、「過ごしたい日常生活」などについて、その意思を汲み取ることができるとしています。


ただし、認知症患者さん本人が、自分の意思を表明しやすいように、周囲の人は、本人が安心できる態度で接することが必要になります。

そして、認知症患者さんの症状が進行する前の段階から、本人や家族、関係者が何度も話し合い、繰り返し支援が行われることが重要となります。


なお、この指針は、認知症患者さんに関わる医療や介護職、成年後見人、自治体職員、家族、近隣住民などを対象にしています。




◎受容と寛容が大切

認知症患者さんへの支援を行うには、患者さんの言動への「受容と寛容の心」が大切となります。


例えば、認知症患者さんに「ものとられ妄想」がある場合、本人が財布を取られたといって責めてきても、頭ごなしに、「何を言っているの!取ってないでしょ!」と怒るのは良くない支援になります。

この場合、「お金を取られた」と患者さんが言ってきた場合には、「どこかにあるはずよ。一緒に探しましょう。」と言って、患者さんの感情を害さずに対応することが適切となります。


なお、認知症患者さんは、認知機能が低下していても、感情は残っています。

そのため、認知症患者さんが訴えたことやできないことに対して、支援する人が怒ってばかりいると、患者さんは、「この人は、何を言っても怒る人」という感情を抱きます。


すると、患者さんの堪忍袋の緒が切れたときに、大声を出したり、暴れたりといった行為として、支援する人に向かって現れてきます。

因みに、このような行動心理学的症候(BPSD:behavioral and psychological symptoms of dementia)は、患者さんへの支持的な態度により緩和する傾向にあります。


また、認知症患者さんへ支援では、「思いやりの心」を持ちながら接すると、患者さんもケアを受け入れ、介護スタッフや家族の負担が減ることにつながります。
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