健康雑学

脚気になりやすい夏

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健康雑学◎脚気は、夏に起こりやすい

脚気(かっけ:beriberi)とは、ビタミンB1(チアミン)が不足することにより引き起こされる病気です。

この脚気は、日本の高温多湿な気候である夏に起こりやすくなっています。


これは、暑い夏に、大量に汗をかいたり、体力を消耗したりして、体内にあるビタミンB1の消費が激しくなることによります。

そのため、江戸時代や明治時代、大正時代では、脚気を発症する患者さんが夏に多くなり、古くから、脚気は「夏の国民病」として知られていました。


なお、源氏物語や枕草子に登場する「あしのけ」は、「脚気」を意味する言葉になります。





◎現代でも、脚気は発症

脚気は、食生活が豊かになった現代では、発症する方が少なくなり、まれな病気となっています。

しかし、インスタント食品の愛好者や偏食をする方、甘い物が好きな方、毎日アルコールを嗜む方、高カロリー輸液を行った患者さんでは、脚気を発症することがあります。


また、ダイエットによる食事制限をしたり、誤った運動トレーニングや激しい肉体労働を行ったりしたことにより、急激にビタミンB1が不足して、脚気を引き起こす方もいます。




◎脚気の症状

脚気は、浮腫を伴うか伴わないかで、大きく2つのタイプに分けられます。

このうち、浮腫を伴う脚気を「湿性脚気(wet beriberi)」といい、浮腫を伴わない脚気を「乾性脚気(dry beriberi)」といいます。


なお、脚気の全般的な症状として、その初期には、全身の倦怠感(気だるさ)や食欲不振などの不定愁訴が現れます。

また、脚気の症状が酷くなると、多発性神経障害が引き起こされ、感覚異常や運動異常が現れます。


そのため、脚気の症状でよく知られている膝蓋腱反射の減弱や消失、腓腹筋の把握痛がみられます。

なお、循環器障害まで症状が及ぶと、心臓の異常が引き起こされ、浮腫などを伴う湿性脚気に至ります。


因みに、脚気により、ショック状態に陥った状態を「脚気衝心(かっけしょうしん)」といいます。


<脚気のサイン>


体の重だるさ

全身の気だるさ

疲れやすい

手足のしびれ

下肢のむくみ

息切れ

など






◎脚気の治療

脚気の治療には、不足したビタミンB1を補給することが中心となります。

この治療には、易吸収性ビタミンB1誘導体を1日10~100mgを経口投与していきます。


また、食事指導として、日頃の食生活を見直し、栄養バランスの取れた食事内容とし、経口補水液を活用していきます。




◎脚気を食生活で改善

脚気を食生活で予防したり、回復したりするには、ビタミンB1の摂取が大切になります。

このビタミンB1は、体内で作ることができない栄養素のため、食事から補給するしかありません。


そのため、ビタミンB1が多く含まれた豚肉タラコウナギを夏場に積極的に食べるようにします。

また、ビタミンB1は、ナッツ類やトウモロコシ、干しブドウ、豆類、玄米、蕎麦、ゴマなどにも比較的多く含まれています。




◎江戸時代は、蕎麦食文化が流行

江戸時代では、夏場に脚気を発症する方が多くいたことから、脚気予防に効果がある蕎麦(そば)を食べる習慣が広まりました。

この蕎麦には、比較的多くのビタミンB1が含まれていて、当時の食材では優良な脚気予防食品でした。


食生活が豊かになった現代でも、夏に蕎麦を食べるのは、ビタミンB1を補給する上で、たいへん効果的な方法となっています。

ただし、肉類や魚類、緑黄色野菜の少ない蕎麦食のみの食生活は、逆に、夏バテを招いてしまう原因となります。


そのため、夏場の食生活でも、栄養バランスの取れた食事が、暑い夏を乗り切る特効薬となります。

なお、主食の白米を玄米に変えるだけで、約4倍のビタミンB1を摂取することができます。
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