脳腫瘍は、脳の中に出来るものほど悪性

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脳◎脳腫瘍とは・・・

脳腫瘍(のうしゅよう:brain tumor、cerebral tumor)とは、頭蓋骨内に発生する腫瘍のことで、「脳新生物(brain neoplasm)」ともいいます。

この脳腫瘍は、発生部位の違いから、脳の中にできる腫瘍(脳実質内細胞由来腫瘍)と、脳の外にできる腫瘍(脳実質外組織由来腫瘍)に分けられます。


また、脳腫瘍は、発生段階の違いから、脳の細胞ががん化して発生する腫瘍(原発性脳腫瘍)と、他の臓器から転移してできる腫瘍(転移性脳腫瘍)に分けられます。

因みに、脳腫瘍は、良性のものと悪性のものがあり、そのタイプは様々で、これまでに150種類以上の脳腫瘍が確認されています。


このうち、脳の中に出来る腫瘍は、悪性度が高い傾向にあります。

一方、脳の外にできる腫瘍は、良性の腫瘍であることが多くなっています。


なお、脳腫瘍は、特定の原因により発症する病気ではなく、様々な要因が重なって発症する疾患になります。



<代表的な脳腫瘍のタイプ>


(脳実質内細胞由来腫瘍:神経上皮細胞由来腫瘍)
神経膠腫(しんけいこうしゅ):グリア細胞由来腫瘍ともいい、悪性で、脳腫瘍の約26%を占めます。

胚細胞由来腫瘍:悪性で、脳腫瘍の約3%を占めます。

未熟な神経上皮細胞由来腫瘍:髄芽腫(ずいがしゅ)などがあり、悪性で、脳腫瘍の約1%を占めます。

神経細胞由来腫瘍:中枢性神経細胞腫ともいい、悪性ですが、発生頻度は1%以下で稀な脳腫瘍になります。


(脳実質外組織に由来する腫瘍)
髄膜細胞由来の髄膜腫:良性の脳腫瘍で、脳腫瘍の約26%を占めます。

下垂体前葉細胞由来の下垂体腺腫:良性の脳腫瘍で、脳腫瘍の約17%を占めます。

末梢神経である脳神経のシュワン細胞由来の神経鞘腫:良性の脳腫瘍で、脳腫瘍の約11%を占めます。

ラトケ嚢の遺残組織由来の頭蓋咽頭腫:先天性あるいは胎児期細胞の名残組織から発生した腫瘍で、良性の腫瘍で、脳腫瘍の約3%を占めます。

※脳腫瘍の発生頻度は、2003年の統計調査によります。






◎良性の脳腫瘍とは・・・

良性の脳腫瘍は、脳の本体ではなく、脳の外側にできる腫瘍になります。

この良性脳腫瘍の代表的なものには、脳を包む膜にできる髄膜腫(ずいまくしゅ)や、ホルモンを分泌する下垂体にできる下垂体腺腫などがあります。


これらの良性脳腫瘍は、ほとんどの場合、手術によって腫瘍を取り除くことができます。




◎悪性の脳腫瘍とは・・・

悪性の脳腫瘍とは、脳の実質(脳の本体)から発生する腫瘍です。

この悪性脳腫瘍は、患者さんの発生頻度が少なく、希少ながんとなっています。


ただし、悪性脳腫瘍は、発生後、急速に増大する傾向にあり、正常な細胞と腫瘍細胞との境界がはっきりとしない特徴があります。

そのため、手術で完全に取り除くことが難しく、取り残しから再発するケースも多くなっています。


代表的な悪性脳腫瘍には、神経膠腫(グリオーマ)があり、悪性度が最も高いグレード4では膠芽腫(こうがしゅ:グリオブラストーマ)と呼んでいます。

なお、悪性脳腫瘍の治療には、手術による腫瘍摘出のほか、放射線治療や抗がん剤による化学療法も必要になってきます。




◎脳腫瘍の症状

脳腫瘍の症状は、腫瘍が出来た部位により、現れる症状が異なってきます。

例えば、運動を司る運動野に腫瘍が出来た場合、片方の手足や顔半分に、麻痺(まひ)や痺れ(しびれ)などの症状が引き起こされます。


また、脳腫瘍が大きくなり、頭蓋内圧が上昇すると、頭痛や吐き気、ふらつき、めまいなどが現れます。

さらに、言語領域(言語中枢、言語野)や視覚領域(視中枢、視覚野)が障害されると、言葉が出なかったり、視野が欠けたりします。


脳腫瘍の場合、これらの症状は、数日から数か月かけて徐々に現れてきます。

なお、脳梗塞や脳出血の場合は、数分から数十分で症状が急激に悪化していきます。




◎膠芽腫の場合には・・・

膠芽腫の場合には、生死の境目を分けるほど、早期発見、早期治療が重要になってきます。

特に、膠芽腫の場合、3か月程度の日数で、急速に腫瘍が大きくなる特徴があります。


そのため、膠芽腫は、脳ドックでは、ほとんど見つかることがなく、患者さんの半分は、仕事ができないほど症状が悪化して診断されます。

また、膠芽腫は、週単位で、どんどん症状が悪化していくため、症状を放置していると、手遅れとなることがあります。


頭に関する症状が出た場合、疲れや風邪などと思い込まずに、脳神経外科や神経内科を受診することが大切です。




◎進歩する脳腫瘍の手術法

脳腫瘍の手術法は、日々、進化を続けています。


近年では、患者さんの意識が保たれているなかで行う手術(覚醒下手術)が行われています。

また、手術中にMRI(磁気共鳴画像装置)を使いながら行う手術(術中MRI)などの新しい手術法も開発されています。


最近では、これらの進歩した手術法により、患者さんの言語や運動の機能を温存しながら、腫瘍をできる限り切除できるようになってきています。

なお、これらの手術を受けた患者さんのなかには、術後10年以上が経過しても、元気に暮らしている方もいます。




◎転移性脳腫瘍の場合には・・・

転移性脳腫瘍は、患者さんの半数近くが、肺がんからの転移になります。

この転移性脳腫瘍の治療には、放射線治療と抗がん剤などの化学療法(薬物療法)を併用することが多くなっています。


このうち、放射線療法では、脳の全体に放射線を当てる全脳照射ではなく、一般的には、放射線をピンポイントで当てるガンマナイフやサイバーナイフで治療を行います。

また、薬物療法では、分子標的薬などの抗がん剤を使用します。


近年は、これらの治療法により、転移性脳腫瘍の患者さんの生存期間が延びています。




◎セカンドオピニオンも大事

脳腫瘍の治療は、手術や放射線治療、化学療法が進歩してきています。

しかし、患者さんのなかには、治療が行き詰ったり、再発したりする方もいます。


そのような場合には、今の主治医との関係を大切にしながらも、別の医師の意見を聞いてみるセカンドオピニオンを行ってみることも大事になります。

なお、セカンドオピニオンを求める場合、がんセンターや大学病院にいる脳腫瘍の専門医に診てもらうことをお勧めします。
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