医療・介護ニュース

ロボット手術の保険適用が拡大

0 0
医療ニュース◎ロボット手術とは・・・

ロボット手術とは、正式には、「ロボット支援下内視鏡手術」といい、ロボットを遠隔操作して行う内視鏡手術のことです。

このロボット手術は、2012年に、前立腺(ぜんりつせん)がんにおけるロボット手術が保険適用を受けたことにより、急速に普及してきました。


また、2016年には、腎臓がんの部分切除においても、ロボット手術が保険適用になり、手術件数が増えてきています。

因みに、現在、日本で承認されている内視鏡ロボットは、アメリカ製の「ダヴィンチ(ダビンチ)」だけになります。


◎ロボット手術の保険適用が拡大

2018年4月、診療報酬の改定に伴い、これまで2つの手術に限定されてきたロボット手術の適応が、12の手術に拡大されました。

これを受けて、前立腺がんや腎臓がんの部分切除に加えて、胃がんや食道がん、直腸がん、肺がん、縦隔(じゅうかく)腫瘍、膀胱(ぼうこう)がん、子宮体がん、心臓弁の手術が、健康保険でロボット手術ができるようになりました。


<ロボット手術の保険適用>


腹腔鏡下胃切除術

腹腔鏡下噴門側胃切除術

腹腔鏡下胃全摘術

胸腔鏡下食道悪性腫瘍切除術

腹腔鏡下直腸切除・切断術

胸腔鏡下肺悪性腫瘍切除術:肺葉切除または1肺葉を超えるもの

胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍切除術

胸腔鏡下良性縦隔腫瘍切除術

腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍切除術

腹腔鏡下膣(ちつ)式子宮全摘術

腹腔鏡下子宮悪性腫瘍切除術:子宮体がんに限る

胸腔鏡下心臓弁形成術



◎ロボット手術の優れた点

ロボット手術では、医師が直接器具を操作して行うよりも、生身の手のような繊細な動きができ、狭い術野でも正確な手術を行うことができます。

また、ロボットアームの先に取り付けられた手術器具は、医師の動きの数分の一の大きさで動き、手元の狂いが生じにくくなっています。


さらに、ロボット手術に使用する手術器具は、従来の手術器具よりも、人間の手指のように曲がるように設計され、格段に使いやすくなっています。


なお、従来の内視鏡手術では、患者さんの体に開けた穴を支点にして、手術器具を安定させて、手術を行っています。

このため、患者さんの体内で、手術器具を左に動かしたいときには、手元の器具を反対の右に動かして操作してきました。


しかし、ロボット手術の場合には、手術器具をロボットアームの先に取り付けるため、患者さんに開けた穴を支点として使うことなく器具を動かすことができ、患者さんへの負担を減らすことができます。

また、ロボットを操作する医師は、患者さんから離れたところにある操作席から、遠隔操作を行って執刀します。


この操作席は、通常、同じ院内に置かれ、操作する医師は、体内を映し出した内視鏡画面を見ながら、左右の2本のハンドルを動かして、ロボットアームを操作します。


因みに、理論的には、数百km離れた場所からでも、患者さんの手術を行うことができます。

現在、通信技術を組み合わせた長距離の遠隔操作は、実証実験の段階にあります。


◎前立腺がんでは、8割に・・・

前立腺がんの内視鏡手術においては、ロボット手術での実施が約8割に到達しようとしています。

特に、前立腺が存在する部位は、手術野が狭くなる骨盤の奥深くに位置し、その周囲には、神経や血管も豊富にあります。


そのため、前立腺がんの内視鏡手術は、難易度が高いことでも知られ、ロボット手術なしでは行えないという医師も出てきています。

なお、前立腺がんは、PSA(前立腺特異抗原)検診の普及によって、2000年前後から早期発見できるようになり、その手術件数が急速に増えてきています。


◎保険適用の拡大でも、適用条件あり

2018年4月に、ロボット手術の保険適用が拡大されました。

しかし、厚生労働省は、ロボット手術を行うにあたり、手術の種類ごとに実施可能な施設基準を設けました。


<肺がんのロボット手術の適用条件>


肺がんのロボット手術を10例以上経験した常勤医が1人以上いること

当該病院での肺がん手術が年間50例以上あり、そのうち胸腔鏡やロボット手術を20例以上実施していること

5年以上経験のある呼吸器外科医の常勤医が2人以上、うち1人は10年以上経験があること

など

※ロボット手術は、全手術の症例を全国データベース(NCD)に事前登録することが義務化



◎病院にとっては儲からないロボット手術

ロボット手術は、2018年4月に、健康保険の適用が拡大されました。

しかし、この12種類の手術費(手技料)は、通常の内視鏡手術の場合と同額に据え置かれました。


そのため、病院的には、通常の内視鏡手術を行っても、ロボット手術を行っても、同じ収益となるため、あまり儲からない手術となります。

一方、ダヴィンチの購入費用やそのメンテナンス費が必要な分、病院負担が増えることになります。


そして、ロボット手術を行う条件に、「執刀経験の豊富な医師がいること」と付け加えられているため、医師の確保が必要となり、実施できる病院も限られてきます。


ただし、患者さんにとっては、体への負担が少なく、正確な執刀が行えることから、ロボット手術はプラスとなります。

また、患者さんには、治療法の選択肢が増えたことも、安心材料となっています。


なお、患者さんがロボット手術を受ける場合には、執刀医の手術経験を聞くことが必要です。

そして、経験の少ない医師が執刀するのであれば、経験豊富な医師がバックアップしてくれるのかも確認することが大切となります。
トップページに戻る
サイトマップ・記事一覧に戻る

0 Comments

There are no comments yet.

Leave a reply