感染症の話

海外から日本に持ち込まれるはしか(麻疹)ウイルス

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感染症◎海外旅行客から感染拡大

2018年1月から4月まで、はしか(麻疹)ウイルスの感染者は、少なくとも106人が確認され、その後も、感染の広がりを見せています。

特に、沖縄県では、台湾からの男性訪日客が、タイを旅行した後に来日し、日本に入国した後の3月20日に、はしか(麻疹)と確認されました。


なお、この外国人男性が訪れた観光施設を利用した人や職員などに、はしかの感染が広がり、4月27日時点では、76人の感染が判明しています。


また、ゴールデンウィーク(GW)を利用して、沖縄県を訪れた愛知県の10代男性も、現地ではしかに感染しています。

そして、この国内男性は、旅行後に愛知県名古屋市の医療機関(名古屋第二赤十字病院)を受診し、その後、その職員や患者さんに、はしかの感染が確認されています。


その後、沖縄県が6月11日に、愛知県が7月9日に、はしか流行の終息宣言を発表しています。

その理由は、最後の感染者の確認から、はしかの潜伏期間の2倍となる4週間が経過しても、新たな感染者が確認されなかったことによります。



<はしかの特徴>


感染経路:空気感染、飛沫感染により、鼻やのど、気道から感染。

潜伏期間:約10~12日。

初期症状:発熱、咳、のどの痛み、目の充血、涙が出るなど。

高熱時の症状:高熱、全身の発疹、口内疹(コプリック斑)のほか、肺炎や中耳炎、脳炎などの合併症を併発。

他人への感染力:初期症状や高熱期において、感染力が非常に強い。

予防方法:ワクチン接種のみ。マスクを装着しても、感染を防げません。



◎日本は、「排除状態」

現在、はしか(麻疹)を引き起こすウイルスは、海外旅行をしてきた日本人や訪日外国人によって、国内に持ち込まれたウイルスです。

これは、日本国内に元々いた麻疹ウイルスが、ほとんどいなくなり、2015年に、世界保健機関(WHO)から「排除状態」と認められているからになります。


そのため、今後、日本国内で発症するはしか(麻疹)の感染経路は、海外で麻疹ウイルスに感染するか、帰国客や訪日客から感染して発症するかとなっています。


なお、現在でも、はしか(麻疹)が流行している国があり、東南アジアを中心に、毎年、地域的な流行が引き起こされています。


◎日本のはしか対策

2008年には、国内のはしか(麻疹)感染者の数は、約1万1000人に上っていました。

しかし、政府が感染対策を強化したため、国内に元々いたウイルスを排除することに成功しています。


政府は、それまで、1回だったワクチンの定期接種を、2006年以降、2回の定期接種へ変更し、十分な免疫力を獲得できるようにしました。

また、政府は、はしかの感染ルートや流行するウイルスの種類を確認するため、感染事例の全例で疫学調査や遺伝子検査を実施し、感染拡大を封じ込めてきました。


これらの対策により、現在、国民の9割が、ワクチン接種や感染経験によって免疫を獲得しているとされています。

ただし、1990年4月2日以前に生まれた方のなかには、ワクチン接種が1回のみだったり、予防接種歴が不明だったりして、免疫が不十分で抗体ができていない人もいます。


◎渡航前には、ワクチン接種が大事

海外旅行をする際には、はしか(麻疹)ワクチンの接種歴がなければ、最低でも1回は接種しておくことが大事です。

また、国内で、はしか(麻疹)が流行していなくても、抗体がきちんと作られているかの検査を受けたり、これまでのワクチン接種歴を再確認したりして、感染予防の意識を高めることが大切です。


なお、はしかの予防接種は、内科や小児科などで受けることができます。

この予防接種は、定期接種でなければ、全額自己負担となり、麻疹と風疹の混合ワクチン(MRワクチン)の場合、1万円程度となっています。


因みに、自治体によっては、はしかの予防接種への助成を行っているところもあります。


<はしかの予防接種>


定期接種:2回接種が基本。1回のみでは、約5%の方が免疫不十分になります。

抗体の有無:抗体検査(血液検査)によって、その有無を調べられます。なお、判明までには約1週間かかります。

免疫獲得までの時間:ワクチン接種後、約2週間です。また、はしかを発症しても、72時間以内にワクチン接種を行えば、症状を軽減させることが可能です。

ワクチンの接種場所:内科や小児科などの医療機関。

ワクチンの費用:定期接種は、公費負担(一部自己負担あり)。任意接種は、全額自己負担(一部助成や全額助成あり)。


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