経済

フェデラル・ファンド(FF)金利の引き上げとその影響

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経済◎フェデラル・ファンド(FF)とは・・・

フェデラル・ファンド(FF:Federal Funds)とは、アメリカの民間銀行が、ニューヨークやボストンなどにある全米12の連邦準備銀行(地区連銀)に、無利息で預けている資金残高のことです。

このフェデラル・ファンドは、アメリカの民間銀行が、「自身の銀行の預金残高に応じて、一定の割合のお金を預け入れなければならない」と決められている準備金になります。


なお、フェデラル・ファンドへ預け入れたお金は、FF残高が余った銀行が、ほかの残高不足の銀行へ、無担保で短期の貸し付けを行うことができます。

この銀行間の貸し借りの際に適応される金利を、「FF金利」と言います。


因みに、FF金利は、各地区連銀を統括していて、アメリカの中央銀行に相当する連邦準備制度理事会(FRB:Federal Reserve Board of Governors )が決定しています。

このため、FF金利は、政府が決定する金利であることから、「政策金利(せいさくきんり)」とも呼ばれています。





◎FF金利の決め方

フェデラル・ファンド金利(FF金利)は、連邦準備制度理事会(れんぽうじゅんびせいどりじかい:FRB)が、金融政策を議論する連邦公開市場委員会(FOMC:Federal Open Market Committee)で誘導目標を決定します。

その後、FRBの指示を受けたニューヨーク連銀が、国債の売買などを通じて、世の中に出回る量のお金を調節し、目標値へFF金利を誘導します。


なお、2018年3月21日のFOMCでは、FF金利を従来の「年1.25%~1.5%」から「年1.5%~1.75%」に決定し、政策金利を0.25%引き上げました。

因みに、この政策金利を引き上げることを、「利上げ」と言います。





◎利上げの目的

政策金利を引き上げる目的は、市場から資金を引き揚げて、世の中のお金の流れを鈍くすることで、景気の過熱を抑えることになります。

民間銀行は、FF金利が引き上げられると、市場で企業や個人へお金を貸し出すよりも、地区連銀に預けて運用した方が儲かることになります。


つまり、利上げ後、民間銀行は、市場から資金を地区連銀のフェデラル・ファンドへ移し始めます。

これにより、世の中に出回るお金の量が減少し、企業や個人はお金を借りにくくなってしまいます。


すると、企業の借り入れや住宅ローンなどの様々な金利までもが、上昇してしまい、企業が設備投資をしたり、個人が家を買ったりする動きが鈍ります。




◎日本への影響は・・・

アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が、政策金利の引き上げを決定すると、米国内の長期金利が上昇します。

すると、アメリカ国内の企業や個人がお金を借りにくくなる一方、世界的に見ると、アメリカ国内で資金を運用したほうがお得になります。


これを受けて、日本では、アメリカと日本の金利差から、ドル買いが優勢となり、円安方向へ動きやすくなります。

そのため、日本の輸出企業にとっては、円安が業績の追い風となり、輸入企業にとってはマイナス要因となります。


ただし、政策金利の引き上げは、アメリカ国内の投資や消費を抑制する効果があるため、米国の株式市場にはマイナスとなります。

また、米国相場の影響を受けやすい東京株式市場は、株価の重しとなる傾向にあります。


<FF金利の利上げによる影響>


アメリカ国内:投資や消費の抑制。ドルでの運用利回りの上昇により、ドル買い優勢。

日本国内:短期的には円安傾向により、輸出企業の業績拡大。ただし、米国相場が上昇しにくくなり、日本株の重しに・・・。






◎長期的な日本への影響

アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は、2018年度の利上げ回数を3回と見込んでいます。

このため、頻回なアメリカの利上げは、米国株の上昇が見込めなくなり、長期的には、日本株の重しとなります。


また、最近のアメリカの保護主義的な動向は、金融市場に不安をもたらし、リスク回避の動きを加速させる可能性があります。

さらに、アメリカが関税を引き上げて、それに反発した取引相手国が報復措置を取るようなことになれば、貿易戦争に発展します。


すると、世界景気へ水を差す結果となり、企業の経済活動にとって打撃となります。

この結果、安全資産とされる円が買われやすくなり、市場では円高方向へ振れやすく、日本株は下落する可能性が高くなります。
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