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ゾフルーザ錠10mg・20mg

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薬◎ゾフルーザ錠10mg・20mg

ゾフルーザ錠10mg・20mgは、A型またはB型のインフルエンザウイルス感染症に効く、抗インフルエンザウイルス剤です。

このゾフルーザは、薬効成分である「バロキサビル マルボキシル」が消化管から吸収された後、代謝されて活性体になり、抗ウイルス作用を発揮します。


なお、ゾフルーザの作用機序は、キャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を阻害して、ウイルスmRNAの合成を阻害することにより、ウイルスの増殖抑制作用を発揮します。


<ゾフルーザ錠10mg・20mg>


商品名:ゾフルーザ錠10mg・20mg

薬剤名:バロキサビル マルボキシル(Baloxavir Marboxil)



以下の情報は、製造販売元である塩野義製薬株式会社が発行する「ゾフルーザ錠10mg・20mg」の添付文書によります。





◎薬理・薬効

「バロキサビル マルボキシル」は、プロドラッグ(prodrug)であり、消化管から吸収されたあと、小腸や血液、肝臓中にあるエステラーゼによって、速やかに活性体へ代謝されて、薬効を示します。


試験管内(in vitro:イン・ビトロ)においては、「バロキサビル マルボキシル」活性体は、A型およびB型インフルエンザウイルスの実験室株や臨床分離株(ノイラミニダーゼ阻害薬に対する感受性低下を示すNA/H274Y変異株を含む)を感染させたMDCK細胞(イヌ腎臓由来株化細胞)に対して、ウイルス増殖抑制効果を示しています。

また、生体内(in vivo:イン・ビボ)においては、「バロキサビル マルボキシル」活性体は、A型およびB型インフルエンザウイルスの実験室株や臨床分離株(ノイラミニダーゼ阻害薬に対する感受性低下を示すNA/H274Y変異株を含む)を接種させたマウスモデルに対して、抗ウイルス作用を示しています。


なお、「バロキサビル マルボキシル」活性体は、鳥インフルエンザウイルス株(H5N1、H7N9)に対しても、その効果が認められています。

また、A型およびB型インフルエンザウイルスに対しては、ウイルスの接種後24~96時間に投与しても、その治療効果が現れています。




◎効能・効果


<ゾフルーザ錠10mg・20mgの効能・効果>


・A型またはB型インフルエンザウイルス感染症






◎用法・用量

①通常、成人および12歳以上の小児には、ゾフルーザ錠20mgを2錠(バロキサビル マルボキシルとして40mg)を1回経口投与します。

ただし、体重80kg以上の患者さんには、ゾフルーザ錠20mgを4錠(バロキサビル マルボキシルとして80mg)を1回経口投与します。


②通常、12歳未満の小児には、体重によって用量を減少し、1回経口投与します。


体重40kg以上では、ゾフルーザ錠20mg2錠(バロキサビル マルボキシルとして40mg)とし、体重20kg以上40kg未満では、ゾフルーザ錠20mg1錠(バロキサビル マルボキシルとして20mg)とします。

また、体重10kg以上20kg未満では、ゾフルーザ錠10mg1錠(バロキサビル マルボキシルとして10mg)とします。




◎禁忌

ゾフルーザ錠は、本剤の成分に対して、過敏症を発症した既往のある患者さんには投与してはいけません。




◎使用上の注意

ゾフルーザ錠は、A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の患者さん全員に、その投与が必須ではなく、投与に際しては、その必要性を慎重に検討します。

また、ゾフルーザ錠は、抗ウイルス剤のため、細菌感染症には効果がありません。


なお、ゾフルーザ錠の予防投与は、その有効性や安全性が確立していません。




◎基本的な注意事項

抗インフルエンザウイルス薬は、因果関係が不明なものの、その投与後に、異常行動などの精神・神経症状を発症した症例が報告されています。

そのため、特に、小児や未成年者については、異常行動による転落などの事故を防止する予防的対応が大切になります。


なお、インフルエンザ脳症などによっても、異常行動のような症状が現れると報告されています。


<ゾフルーザ錠10mg・20mgの注意事項>


・投与後の異常行動の発現に注意すること

・自宅療養の際には、投与後、2日間は、保護者が小児や未成年者が1人にならないように注意すること

・細菌感染症が合併した場合には、抗菌剤の投与など、適切な処置を行うこと

・重度の肝機能障害がある患者さんへの使用経験はないこと

など






◎副作用

ゾフルーザ錠の成人および12歳以上の小児を対象とした臨床試験における安全性評価対象(910例)では、いくつかの副作用が確認されています。

その副作用は、下痢が12例(1.3%)、ALT(GPT)増加が8例(0.9%)、AST(GOT)増加、頭痛などです。

一方、ゾフルーザ錠の12歳未満の小児を対象とした臨床試験における安全性評価対象(105例)では、下痢が2例(1.9%)などです。




◎高齢者・小児・妊産婦への投与

高齢者への投与

高齢者は、一般に生理機能が低下しているため、患者さんの状態を十分に観察しながら投与することが必要です。


妊婦、産婦、授乳婦などへの投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人では、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与します。

なお、妊娠中の投与に関する安全性は確立されていません。


動物実験(ラット、ウサギ)において、催奇形性は認められませんでしたが、ウサギにおける高用量投与により、流産および頸部過剰肋骨が報告され、ラットでは、胎盤通過が報告されています。


授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を避けるようにします。

ヒト母乳中への移行は不明なものの、ラットでは、乳汁中への移行が報告されています。


小児への投与

低出生体重児や新生児、乳児に対しては、使用経験がなく、その安全性は確立されていません。

小児に対しては、本剤を適切に経口投与できる場合にのみ投与します。


なお、本剤の過剰投与に関する情報はありませんが、副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行います。




◎薬物動態

「バロキサビル マルボキシル」は、小腸や血液、肝臓中にあるエステラーゼによって、速やかに代謝されて、活性体に加水分解されます。

そのため、血漿中には、「バロキサビル マルボキシル」は、ほとんど検出されなくなっています。


なお、血漿中には、主に、「バロキサビル マルボキシル」活性体が検出され、その他には、「バロキサビル マルボキシル」活性体のグルクロン酸抱合体や酸化体が検出されています。


因みに、「バロキサビル マルボキシル」は、投与された放射能の80%が糞便中に排泄され、14.7%が尿中に排泄されています。

また、投与量の3.28%は、「バロキサビル マルボキシル」活性体として、尿中に排泄されています。




◎相互作用

試験管内(in vitro:イン・ビトロ)の試験においては、「バロキサビル マルボキシル」は、CYP2B6とCYP2C8、CYP3Aを、「バロキサビル マルボキシル」活性体は、CYP2B6とCYP3Aを濃度依存的に弱く阻害しています。

また、「バロキサビル マルボキシル」は、P-糖蛋白を阻害し、「バロキサビル マルボキシル」活性体は、P-糖蛋白とBCRPを阻害しています。


なお、「バロキサビル マルボキシル」やその活性体は、P-糖蛋白の基質であったことが判明しています。
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