全身・その他

痛み(疼痛)とペインコントロール

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疼痛◎痛み(疼痛)とは・・・

痛み(疼痛)とは、ズキンズキンやチクチク、ジンジン、ビリビリなど、生体にとって大きなストレスとなる感覚刺激のことです。

この痛みについて、国際疼痛学会(IASP)は、「痛みとは、実際に何らかの組織損傷が起こったとき、または組織損傷を起こす可能性があるとき、あるいはそのような損傷の際に表現される不快な感覚や情動体験」と定義しています。


通常、痛みは、発生からの経過時間により、急性痛と慢性痛に分けられ、また、これにがん性疼痛が加わります。

このうち、慢性痛は、その発生原因の違いにより、侵害受容性慢性痛と神経障害性疼痛に分けられます。





◎痛みの性質とその背景

痛みの性質には、「刺すような痛み(pricking pain)」や「焼けるような痛み(burning pain)」、「電気が走ったような痛み(lightning pain)」などがあります。

このうち、刺痛や電撃痛は、体性神経(感覚神経)に侵害刺激が作用して発生する痛みで、急性痛として現れやすく、一次性疼痛(fast component of pain)一次痛(first pain)とも呼びます。


一方、焼灼痛は、感覚神経が刺激された後、比較的長く続く痛みで、慢性痛として現れやすく、二次性疼痛(slow component of pain)二次痛(second pain)とも呼んでいます。


急性期の痛み(急性痛)は、組織の損傷が起こる直前や直後に現れます。

一般に、この急性痛は、生体への警告刺激として発せられ、生理的な痛みとなっています。


一方、持続的に起こる痛み(慢性痛)は、組織の損傷がない場合や、組織が治癒しているのに生じる痛みのことです。

このため、慢性痛は、生理的ではない痛みとなり、その発生原因の違いから、大きく分けて、侵害受容性慢性痛神経障害性疼痛に分けられます。


また、慢性痛のうち、がんによって生じる痛みは、特に、がん性疼痛として分類され、がんではない慢性痛は、非がん性慢性痛と呼んでいます。




◎痛みは、ストレスの元

痛みは、ストレスとなるもので、痛み刺激は、患者さんの生活の質(QOL)や日常生活動作(ADL)を低下させる原因となります。

そのため、痛みを我慢することは、体にとって良くないことであり、痛みを軽減させる必要があります。


特に、がん性疼痛は、患者さんにとって辛いものであり、痛みをコントロールすることは非常に大切なこととなっています。

ペインコントロールは、これらの急性痛や慢性痛、がん性疼痛を軽減することを目的として行われる治療になります。




◎ペインコントロール

ペイン(pain)は、日本語では「痛み」や「疼痛」と訳されます。

そして、ペインコントロール(management of pain)は、痛みをコントロールする疼痛管理のことになります。


痛みの種類には、急性痛、慢性痛、がん性疼痛があり、また、慢性痛は、侵害受容性慢性痛と神経障害性疼痛に分けられます。

このうち、急性痛については、生理的な痛みであり、その発症原因の特定が比較的容易になっています。


しかし、慢性痛については、痛みを引き起こしている場所の特定が難しいことが多くなっています。

そのため、組織損傷がない場合や損傷が治癒しているのに痛みが生じている場合には、「神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン」に沿って治療を行います。




◎急性痛のペインコントロール

急性痛は、ほとんどが炎症性疼痛です。

そのため、急性痛の薬物療法では、一般的に、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:エヌセイド、エヌセイズ)を用います。


しかし、消化器系や腎機能に障害がある場合には、アセトアミノフェンを使用します。


<急性痛の代表的な処方例>


(①か②のいずれかを使用します。)
ロキソニン錠(60mg):1日3錠、朝昼晩に1回1錠ずつ服用。

カロナール錠(200mg・300mg):1日8錠、朝昼晩寝る前に1回2錠ずつ服用。






◎長期投与のペインコントロール

痛みを長期間に渡ってコントロールする場合には、消化管障害の少ないシクロオキシゲナーゼⅡ(COX-2)選択性阻害薬か、アセトアミノフェンを使用します。

なお、ロキソニンは、胃が荒れやすいため、長期服用は避けるようにします。


<長期投与の代表的な処方例>


(①~③のいずれかを使用します。)
ハイペン錠(200mg):1日2~4錠、朝晩に1回1~2錠ずつ服用。

セレコックス錠(100mg):1日2錠、朝晩に1回1錠ずつ服用。

モービック錠(10mg):1日1錠、食後に1錠を服用。






◎侵害受容性慢性痛のペインコントロール

侵害受容性慢性痛では、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:エヌセイド、エヌセイズ)やアセトアミノフェンのほか、弱オピオイドを用います。


<侵害受容性慢性痛の代表的な処方例>


(①~⑤のいずれかを使用します。)
ハイペン錠(200mg):1日2~4錠、朝晩に1回1~2錠ずつ服用。

セレコックス錠(100mg):1日2錠、朝晩に1回1錠ずつ服用。

モービック錠(10mg):1日1錠、食後に1錠を服用。

カロナール錠(200mg・300mg):1日8錠、朝昼晩寝る前に1回2錠ずつ服用。

トラムセット配合錠:1日2錠、朝晩に1回1錠ずつ服用、または、1日4錠、朝昼晩寝る前に1回1錠ずつ服用。






◎神経障害性疼痛のペインコントロール

神経障害性疼痛では、「神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン」に従った薬を使用します。

ただし、抗けいれん薬や三環系抗うつ薬、オピオイド疼痛薬などについては、患者さんによって、効果を発揮する投与量が異なるため、適量を見つけて使用する必要があります。


また、フェンタニルやモルヒネなどの強オピオイドは、副作用も現れやすく、依存も生じやすいため、使用には注意が必要となっています。


<神経障害性疼痛の代表的な処方例>


(①と②のいずれかを使用します。)
リリカカプセル(25mg・75mg・150mg):1日2カプセル、朝晩に1回1カプセルずつ服用。

トリプタノール錠(10mg・25mg):1日1錠、寝る前に1錠を服用、以後、効果をみて適宜増量。


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