骨・関節・筋肉

年を取ると多くなる筋肉や関節、骨の病気

病気
関節リウマチとは・・・


関節リウマチ(RA:rheumatoid arthritis)とは、原因不明の自己免疫性疾患です。

関節リウマチでは、体のあちこちの関節において、自分の免疫細胞の攻撃により、慢性で対称性、多発性、びらん性の滑膜炎が引き起こされます。


この関節リウマチの発症原因は、遺伝的背景に外的要因が加わって発症することが分かっていますが、まだ詳しいことは明らかになっていません。

なお、関節リウマチは、中高年の女性に多く発症しています。


関節リウマチの初期症状は、朝起きたとき(起床時)の手のこわばり、全身倦怠感、関節の痛み、腫れ、熱感などになります。

また、症状が進行すると、関節軟骨や骨が破壊されて、関節リウマチに特有の関節の変形が現れてきます。


そのほかには、炎症が続くことで微熱が生じ、食欲不振や貧血などの全身症状が現れます。

特に、関節の痛みは、天候に左右されやすく、低気圧が近づき、雨や寒い日には、痛みが強くなる傾向にあります。


さらに、関節リウマチは、疲労が蓄積したり、ストレスを感じたりすると、症状が悪化しやすくなっています。


<関節リウマチの主な治療法>


薬物療法:抗リウマチ剤、非ステロイド系抗炎症剤、副腎皮質ステロイド剤、免疫抑制剤、生物学的製剤(腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬など)
リハビリテーション:温熱療法、関節可動域訓練、筋力増強訓練、補装具や自助具の活用、関節保護動作の習得
手術療法:関節滑膜切除術、人工関節置換術



関節リウマチでは、関節に掛かる負荷を減らして痛みを抑制することや、関節の動きを支援するサポーターや器具を活用して、症状が悪化しないように保護していくことが大切です。

また、手関節に負担がかかる動作を控え、長時間の歩行や階段昇降などは、できるだけ避けるようにしていきます。


そして、関節の変形を防ぐため、自助具を活用したり、棒回転式やボタン式の蛇口や押し開きのドアに替えたりして、生活環境を整えていくのも有効になります。


骨粗鬆症とは・・・


骨粗鬆症(osteoporosis)とは、骨密度が減少して、骨が脆くなり、骨折しやすくなる病気のことで、寝たきりを引き起こしやすくなる特徴があります。


通常、骨は、毎日古くなった骨を破壊して、新しい骨を作り直す作業を繰り返しています。

しかし、加齢に伴い、カルシウムや骨を作るホルモンが不足すると、骨形成よりも骨破壊(骨吸収)が進み、骨密度が減少して骨粗鬆症が引き起こされます。


特に、女性の場合、閉経後に、骨を作らせる働きのある女性ホルモンが減少して、著しく骨密度が減少する傾向にあります。


一般に、骨量は、18歳頃にピークを迎え、その後、年齢を重ねるごとに、緩やかに減少していきます。

なお、若年健常女性の平均骨量よりも20~30%減ると、骨折しやすくなっているとして骨粗鬆症に該当します。

<骨粗鬆症の危険因子>


・カルシウムの摂取不足
・運動不足
・日光不足
・ストレスによるカルシウムの吸収力の低下
・生理不順、閉経、卵巣除去手術などによる女性ホルモンの減少
・内分泌異常
・薬の副作用
など



骨粗鬆症は、日頃からカルシウムを多く含む食品(乳製品や小魚、緑黄色野菜など)を摂取し、適度な運動や日光浴をして予防することが大切です。

しかし、骨粗鬆症の状態が改善しない場合には、薬物療法やリハビリテーションなどを行って治療します。


更年期症状がある場合には、骨の成長に関与するエストロゲン(女性ホルモン)を補充することが有効です。

また、骨吸収を抑える薬(性ホルモンやカルシトニンなど)や骨形成を助ける薬(ビタミンK2)、骨吸収と骨形成を調整する薬(ビタミンD3、カルシウム)などの薬物療法も効果的となっています。


骨折の多い箇所


高齢者に多い骨折(fracture)には、大腿骨頸部骨折、脊椎圧迫骨折、上腕骨骨折、橈骨下端部骨折などがあります。

なかでも、大腿骨頸部骨折は、寝たきりの原因となりやすく、最も注意が必要な骨折となっています。


大腿骨頸部骨折を防ぐためには、その基礎疾患となっている骨粗鬆症の予防と治療がたいへん有効です。

また、転倒した際に、大腿骨頸部への衝撃を和らげるために、ヒッププロテクターを装着して股関節を守ることも、骨折予防として効果を上げています。


このほかには、日頃から体を動かし、筋肉を鍛えながら、視力や平衡感覚も訓練していくことが重要です。

さらに、照明を明るくしたり、段差をなくして手すりを設置したりして、生活環境を整えていくことも、骨折予防には必要となっています。

<大腿骨頸部骨折の主な手術法>


内側骨折:人工骨頭置換術
外側骨折:強固な内固定具による骨接合術



高齢者の大腿骨頸部骨折では、早期の手術が望まれ、また、早期に離床を促して、寝たきりを防いでいく必要があります。

さらに、骨粗鬆症の治療も併せて行い、骨量の減少を食い止めることが大切となっています。


股関節が変形する病気


変形性股関節症(hip osteoarthritis、coxarthrosis)は、先天的な要因や後天的な要因により、股関節の構造が障害されて、痛みや歩行障害をきたした疾患です。


変形性股関節症のほとんどは、先天的な要因で発症し、先天性股関節脱臼や臼蓋(きゅうがい)形成不全などによります。

一方、後天的な要因では、大腿骨頸部骨折、化膿性関節炎、特発性大腿骨頭壊死などによります。


変形性股関節症の治療は、主に保存療法を行い、炎症を抑制したり、股関節周囲の筋力を強化したりします。

しかし、保存療法では症状の改善が難しい場合には、骨切り術や人工股関節全置換術などの手術療法が必要となります。

<変形性股関節症の治療>

(保存療法)
・消炎鎮痛剤の服用
・杖の使用
・運動制限
・肥満の解消
・温熱療法
・股関節周囲の筋力強化
・プール歩行

(手術療法)
・骨切り術
・人工股関節全置換術



膝関節が変形する病気


変形性膝関節症(knee osteoarthritis、gonarthrosis)とは、加齢や肥満、使い過ぎ、O脚などの影響により、膝関節の軟骨がすり減って、炎症や痛み、水腫などが現れた疾患です。


高齢の方は、筋力の低下と肥満により、膝への負担が大きくなって、変形性膝関節症を起こしやすくなっています。

そのため、変形性膝関節症を予防するためには、膝関節周囲の筋肉を鍛えることのほか、膝への負担を軽減するために体重コントロールが大切となります。


変形性膝関節症は、初期には動作開始時に痛みが出現し、まれに、関節内に水が溜まる関節水腫が引き起こされることがあります。

しかし、症状が進行すると、膝に水が溜まりやすくなり、軟骨が磨り減って、膝の屈伸が制限されるほか、軟骨がなくなると、軟骨下の骨まで磨耗して変形し、痛みが強くなります。


変形性膝関節症の治療は、痛みが強い場合には、安静にして、湿布や消炎鎮痛剤、関節内注射で痛みを軽減します。

また、痛みが治まってきたら、温熱療法や膝関節周囲の筋力強化を行い、膝装具や足底板などを活用して、膝関節にかかる負担を軽減します。


特に、日常生活では、杖の使用やサポーターの装着が有効です。

また、正座や胡坐、和式トイレは、膝への負担が大きいため、椅子やベッド、洋式トイレを使用する生活スタイルに変えることもたいへん効果があります。


なお、これらの保存療法でも効果がない場合には、骨切り術や人工膝関節置換術を行います。


靱帯が骨に変わる病気


後縦靱帯(posterior longitudinal ligament)とは、脊椎椎体の後面を縦に走っている靱帯のことです。

後縦靱帯骨化症(ossification of posterior longitudinal ligament)は、この後縦靱帯が何らかの原因により、骨に変換(骨化)して、脊髄の通り道が狭くなり、神経が圧迫されて知覚障害や運動麻痺が起こる病気です。


後縦靱帯骨化症の原因は、不明ですが、その発症要因として、遺伝や性ホルモン、カルシウム・ビタミンDの代謝異常、糖尿病、肥満、老化現象などが考えられています。

なお、後縦靱帯骨化症は、40歳以上の男性に多くみられる傾向があります。


後縦靱帯骨化症の症状は、頸部や肩、上肢の痛みや痺れから始まり、進行すると、上下肢の麻痺、排尿や排便障害が引き起こされます。

後縦靱帯骨化症の治療は、主に、保存療法を行い、消炎鎮痛剤や筋弛緩剤を服用するほか、頚椎の牽引を行い、頚椎装具を使用します。


しかし、保存療法でも症状が改善しない場合や、痛みや痺れが強い場合には、神経を圧迫している骨化部位を取り除く手術を行います。


脊髄神経が傷害された病気


脊髄損傷(spinal cord injury)とは、転落や交通事故、スポーツ外傷などにより、脊髄が損傷して、体に麻痺が現れる疾患です。

近年では、高齢者による脊髄の不全損傷が増えてきています。


脊髄損傷の症状は、損傷部位により症状やその障害の程度が異なります。

頸髄損傷では、四肢麻痺が現れ、それ以下の脊髄損傷では、両下肢麻痺(対麻痺)、排尿・排便障害、起立性低血圧などがみられます。


なお、第4頸髄以上の損傷では、呼吸筋が麻痺するため、人工呼吸器による呼吸管理が必要となります。

<脊髄損傷のレベルと日常生活動作(ADL)>


第4頸髄(C4)以上の損傷:呼吸筋が麻痺するため、呼吸管理が必要です。
第6頸髄(C6)以下の損傷:車椅子を使用して、自立的な日常生活が送れる可能性があります。
第12胸髄(T12)以下の損傷:松葉杖を使用しての歩行ができる可能性があります。
第3腰椎(L3)以下の損傷:装具や杖を使用して、歩行ができる可能性があります。



脊髄損傷は、急性期には、脊髄の断裂や坐滅に至らない残存部分の機能回復と維持を目的とし、除圧術、脱臼整復術、ステロイド剤などの薬物療法を早急に実施します。

また、受傷後早期から、呼吸障害やイレウス(腸閉塞)、褥瘡などの合併症に注意が必要です。


特に、褥瘡は、感覚障害や運動麻痺によって、自力の体位変換が困難となることでできやすくなります。

また、自律神経が障害されることにより、高体温や起立性低血圧、徐脈なども引き起こされやすくなります。


脊髄損傷の急性期を過ぎた後は、早期からリハビリテーションを行い、日常生活動作を向上させて自立度を高め、社会復帰を目的としていくことが大切になります。

このリハビリテーションでは、食事、衣服の着脱、文字を書くなどの日常生活動作(ADL)の再構築を図っていき、関節拘縮を予防していきます。

また、寝返りや座位の保持、起居動作など、ADL拡大訓練も大変有効になっているほか、尿路感染予防も大切になります。
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