パニック障害の症状とその治療法
パニック障害の治療
パニック障害の治療は、まず、患者さんに、パニック発作について、正しい認識を持ってもらうことから始まります。
パニック発作は、予期せぬときに、突然、現れるものですが、このような症状は、健康な人でも起こりうる現象になります。
また、パニック発作の症状が現れている時には、苦しく、死ぬかもしれないと思うものですが、一般に、パニック発作のみで死に至ることはなく、時間が経てば発作は必ず治まります。
パニック障害の治療目標は、パニック発作の回数や予期不安を減らすことが、その第1目標となります。
パニック障害の治療で行われるのは、主に、薬物療法と精神療法になります。
パニック障害の薬物療法
パニック障害の薬物療法は、パニック障害の各種のガイドラインで、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が第1選択薬とされています。
その他には、三環系抗うつ薬や抗不安薬で、症状の発現を軽減します。
<パニック障害の代表的な処方例>
(以下の①か②のいずれかを処方)
①パキシル錠(10mg):1~4錠、1日1回、夕食後または就寝前に服用
②ジェイゾロフト錠(25mg):1~4錠、1日1回、夕食後または就寝前に服用
これらの薬は、効果が不十分な場合には、いずれも漸増します。
また、服用期間は、10週間程度の継続服用が必要となっています。
さらに、維持療法として服用する場合には、1年間は内服を継続することが推奨されています。
パニック障害の精神療法
パニック障害の精神療法は、認知行動療法がたいへん有効となっています。
パニック発作が起こったときの状況を分析し、どのような精神状態のときに発症したのか、また、そのとき周りにあったものは何だったのかなどを知ることで、発作を回避することにつなげていきます。
ただし、この恐怖の対象となるものへの回避が重度になると、恐怖の対象と直面する機会が減り、一見、パニック発作の頻度が減ったように感じられます。
そのため、パニック障害の治療効果を評価する場合には、特に注意が必要となります。
パニック障害の精神療法には、認知行動療法のほかにも、心理教育、呼吸コントロール、認知再構成、段階的曝露、身体感覚曝露などがあります。
これらの精神療法を組み合わせて行うことも効果があり、個人療法であれば1時間程度、グループ療法であれば2時間程度を1セッションとして、全部で7~10セッションを行います。
具体的には、「認知行動療法の効果とその方法」に載せてあります。
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