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トポテシンは、抗がん剤のトポイソメラーゼ阻害薬


抗がん剤◎トポテシンは、トポイソメラーゼ阻害薬

トポテシンは、トポイソメラーゼ阻害薬という種類の抗がん剤です。

このトポイソメラーゼ阻害薬とは、DNAの転写、複製、修復が行われる際に働く、DNAのらせん構造のねじれを解消するトポイソメラーゼを阻害して、DNA活性を失わせて、がん細胞の増殖を抑えます。


因みに、トポイソメラーゼには、DNA二本鎖の1本だけを切断するトポイソメラーゼⅠと、2本同時に切断するトポイソメラーゼⅡあります。

トポイソメラーゼⅠ阻害薬としては、イリノテカン、ノギテカンがあり、トポイソメラーゼⅡ阻害薬には、エトポシド、アントラサイクリン系抗がん剤などがあります。





◎トポテシンの作用


<トポテシン>


・略号:CPT-11、IRT

・商品名:トポテシン点滴静注40mg2ml、トポテシン点滴静注100mg5ml

・薬剤名:イリノテカン



イリノテカン塩酸塩水和物は、1983年に、日本において合成された抗悪性腫瘍薬です。

イリノテカンは、トポイソメラーゼⅠを阻害して、DNA合成を阻害することで抗腫瘍効果を発揮します。




◎トポテシンの適応疾患とその目標

トポテシンの適応疾患は、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、子宮頸がん、卵巣がん、手術不能または再発の胃がん・結腸がん・直腸がん・乳がん、有棘細胞がん、非ホジキンリンパ腫になります。




◎トポテシンの代表的な投与例(レジメン)


<単独療法>


小細胞肺がん、非小細胞肺がん、乳がん、有棘細胞がんの場合

通常、成人にはイリノテカンとして、1日1回100mg/m2を1週間間隔で3~4回点滴静注(1回の点滴で90分以上かけて点滴)して投与します。

その後、少なくとも2週間休薬します。

これを1コースとして、投与を繰り返します。


子宮頸がん、卵巣がん、胃がん、結腸・直腸がんの場合:次の①と②のいずれかの方法で投与します。

①通常、成人にはイリノテカンとして、1日1回150mg/m2を2週間間隔で2~3回点滴静注(1回の点滴で90分以上かけて点滴)して投与します。

その後、少なくとも、3週間休薬します。

これを1コースとして、投与を繰り返します。


②通常、成人にはイリノテカンとして、1日1回40mg/m2を3日間連日点滴静注(1回の点滴で60分以上かけて点滴)して投与します。

これを1週間ごとに、2~3回繰り返して投与します。

その後、少なくとも2週間休薬します。

これを1コースとして、投与を繰り返します。






◎トポテシンの特徴的な副作用とその注意点

悪心・嘔吐は、中等度の催吐性リスクがあります。

急性嘔吐が、30~90%で発現し、遅発性嘔吐も問題になります。

制吐剤適正使用ガイドラインによると、5HT3(セロトニン)受容体拮抗剤、デキサメタゾンなどの制吐薬が推奨されています。

※デキサメタゾンの処方例:1日目9.9mg注、2日目8mg内服、3日目8mg内服、必要があれば4日目8mg内服

必要時には、アプレピタントも併用します。

その際には、デキサメタゾンは半量に減らします。


下痢は、イリノテカン投与後24時間以内に起こる早発性の下痢と、24時間以降に起こる遅発性の下痢が引き起こされる可能性があります。

早発性の下痢は、コリン作動性で引き起こされ、高等度な下痢であっても、その多くは一過性の下痢で、副交感神経遮断薬の投与により緩和が期待できます。

一方、遅発性の下痢は、主にイリノテカンの活性代謝物SN-38による腸管粘膜障害に基づくもので、持続することがあります。

高等度の下痢の持続により、脱水および電解質異常などをきたし、特に重篤な経過を辿ることもありますので、ロペラミド塩酸塩などの止瀉薬の服用や水分補給による脱水改善を行います。


骨髄抑制は、好中球減少、白血球減少が引き起こされる可能性があります。

また、好中球・白血球減少と下痢との併発には十分な注意が必要です。


そのほかの副作用としては、食欲不振、脱毛、肺臓炎などが引き起こされる可能性があります。




◎トポテシン投与時の注意点

イリノテカンの投与中、または、投与直後に、鼻炎や流涙、発汗、縮瞳、紅潮、腸管の蠕動運動亢進などの副交感神経刺激症状が引き起こされる可能性があり、注意が必要です。


イリノテカンの活性代謝物SN-38は、肝臓の薬物代謝酵素UGT1A1によって、不活性化されます。

しかし、患者さんによっては、UGT1A1の遺伝子多型を持っている場合があります。

その場合は、UGT1A1の活性が低下して、SN-38が体内に長く留まる結果になります。

そうすると、好中球減少や白血球減少、下痢などの副作用の発現率が高まります。

イリノテカンの投与前には、必ず、UGT1A1の遺伝子多型検査(保険適応)を行い、副作用発現の備えをしておくことが大切になります。


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