こむら返りの対処法と薬物治療


治療法◎こむら返りとは・・・

こむら返り(calf cramp)とは、下腿三頭筋が筋攣縮を起こして、比較的短時間、足がつった状態になる症状のことです。

このこむら返りは、有痛性筋攣縮(筋クランプ:muscle cramp)の代表格で、ジョギング中や水泳中などに発生しやすくなっています。


また、高齢者や基礎疾患を持っている方などの場合、こむら返りは、眠りについた後や明け方に発症することが多くなっています。





◎こむら返りは、痛い

こむら返りは、下腿にある腓腹筋の筋肉の束が痙攣を起こし、数秒から数分間、持続的な筋収縮が繰り返されます。

そのため、ふくらはぎに、急激な筋肉の緊張が生じ、筋肉は固く引き締まり、血行が阻害されて痛みが出現します。


特に、明け方に起こるこむら返りは、痛みで飛び起きるほど激烈な痛みを伴うことが多くなっています。

そのため、その痛みで、心臓がバクバクしたり、冷や汗が吹き出たりすることもあります。


なお、こむら返りが、週1回以上、頻回に生じる場合には、糖尿病や肝硬変、慢性腎不全などの基礎疾患が隠れていることがあります。




◎こむら返りの原因

こむら返りの原因は、さまざまで、筋肉の疲労や血流障害、寒冷刺激、脱水、電解質異常などが原因となります。

また、加齢のほかに、中枢神経や骨格筋、末梢神経疾患、糖尿病などの基礎疾患も、こむら返りの発症に大きく関係します。


特に、高齢者の場合、加齢に加えて、基礎疾患を持っている方が多く、脱水や栄養不足などの条件が重なったときに、こむら返りを引き起こしやすくなっています。

なお、こむら返りは、透析を受けている患者さんにも多く発症しています。


<こむら返りの隠れた原因>


糖尿病

肝硬変

慢性腎不全

甲状腺機能低下症

腰部脊柱管狭窄症

腰部椎間板ヘルニア

脳血管障害後遺症

運動ニューロン病

多発神経炎

末梢神経疾患

β遮断薬やCa拮抗薬などの降圧薬の副作用

HMG-CoA還元酵素阻害薬や利尿薬などの副作用

など






◎こむら返りの対処法

こむら返りは、ふくらはぎの筋肉が断続的に筋収縮を繰り返して、筋緊張や痛みが引き起こされて生じます。

そのため、こむら返りを鎮める対処法は、ふくらはぎの痙攣を和らげることが大切となります。


こむら返りの発症(発作)時は、足を投げ出して座り、痙攣を起こしている方の足の親指をつかんで反らします。

こうすることで、ふくらはぎが強制的に伸ばされ、痙攣を起こしている筋肉が引っ張られて筋収縮しにくくなります。


なお、足の親指を手でつかめない場合、土踏まずをつかんで足関節を反らしたり、反対の足で足関節を反らしたりしても、ふくらはぎのストレッチ効果が得られます。


通常、筋肉の痙攣は、数秒から数分間持続しますので、ふくらはぎの伸展(引き伸ばしストレッチ)は、5分以上持続して行うようにします。

その後は、全身の力を抜いて安静にし、こむら返りの再発を防ぐために、ふくらはぎのマッサージを行います。


因みに、こむら返り後には、温湿布などの外用薬を利用することも有効となっています。




◎こむら返りの再発予防

こむら返りの再発予防としては、日頃の運動やストレッチ、食生活の改善、十分な水分摂取などが効果的です。

また、医療的な再発予防では、薬物療法を用いたり、基礎疾患に対する治療を優先したりして、こむら返りを防いでいきます。


なお、こむら返りの薬物療法では、患者さんの基礎疾患に関わらず、速効性のある芍薬甘草湯を用います。

この芍薬甘草湯は、芍薬(peony root)甘草(glycyrrhiza、licorice root)が同じ量ずつ配合された漢方薬です。


このうち、芍薬に含まれるペオニフロリンという成分は、神経筋シナプスでのCa2+流入を抑制する薬理作用を示します。

一方、甘草に含まれるグリチルリチン成分は、K+の流出を促進させて、アセチルコリン受容体を抑制する薬理作用を示します。


ただし、芍薬甘草湯の副作用として、低K血症による筋力低下や横紋筋融解、偽アルドステロン症を発症することがあります。

そのため、芍薬甘草湯の長期連用には十分注意し、必ず採血(血液検査)による異常がないことを確認します。


因みに、芍薬甘草湯のほかに、中枢性の筋弛緩薬や湿布を併用することも有効です。


<代表的な処方例>


(こむら返りが軽度な場合)
ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(2.5g):1日1回、就寝前に服用。または、頓用として服用。

(こむら返りが頻回に起こる場合)
ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(2.5g):1日3回、食前または食間に2週間程度服用。

(以下の①または②、③または④を適宜追加)
ミオナール錠(50mg):1日3回、1錠ずつ食後に服用。

エリスパン錠(0.25mg):1日3回、1錠ずつ食後に服用。

ボルタレンゲル1%:1日数回、患部に塗布。

ロキソニンパップ:1日1回、患部に貼布。




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